今の母の体の状態

 私の母はもう八十五歳になる。体の衰えがだいぶ進んでいるのに掃除、洗濯、料理と毎日毎日作ったりしている。もう豆で神経的に細かいから私は何も言えない。私が作業所から帰って来ると、料理を作っている。つまり遅くなった時はもうできていては母が待っている状態だ。特に体の悪いところは足である。上半身は健康的でいいのだが足が弱くなってきて、しびれて足の感覚がなくなるぐらいである。また今の母は以前の母と違って休む時間が増えてきた。そんな状態だから歩いていても必ず壁に手をついて歩く。私の母は痛いとかなんだとかあまり言わないのである。だから休んでいてもベッドで黙って新聞などを読んでいる。私は休んでいる母を見るとホッとする。しかし私の母は考えが違う。いろいろ動いたりしているから足のしびれとかが何とか持つのだと言っている。だから明日はどうなるのだろうと心配になる。脊髄を痛めているからなおかつ心配だ。MRIでの写真を見ると腫瘍が一つではなく二つあることが分かった。今は私は非常に迷っている。作業所の所長と二日続けて話をした。どういう話をしたかというと手術をすべきか、それともこのままにしておくかである。八十を過ぎた母が手術に体がもつか持たないか、あるいはこのままにしておいていいのかである。手術をして体がもてば体の進行は少し遅くなるという。これは成功すればの話である。でも結論は体の衰えを先延ばしにするようなものだ。それから手術をしなければ着実に今のスピードで悪くなる。だからその辺をすごくすごく悩んでいるのだ。体がもたなければ心臓が止まるような話も聞いた。だから今の体をリハビリで治すしかないのだ。今の母親の体の状態を母にどうはげましたらいいかわからない。まあ私の心を見ると仕方がないから手術はしない方がいいと思う。もし心肺停止になったりいろいろなアクシデントがあるといけないからだ。その辺を私はすごく迷っている。